氏名黙秘

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H21-1 刑訴

第1 警察官Aの行為

Aがビデオカメラで甲の容ぼうを無令状で撮影した行為は、「強制の処分」(刑事訴訟法(以下略)197条1項但書)に当たり、令状主義に反し、違法とならないか(218条1項前段)。

1 法が強制処分について厳格な要件・手続を定めていることに鑑み、強制処分とは、①相手方の意思に反して、②その重要な権利・利益を実質的に制約する処分をいう。

2 甲は無断で容ぼうを撮影されることについては拒否すると考えられるから、上記行為は甲の意思に反する(①)。

上記行為により、甲は一定程度プライバシーの利益が制約されている(憲法13条)。しかし、Aの撮影は、甲がカーテンを開け、甲宅路上から甲の顔が見えたときを撮影にすぎないところ、甲はたとえ家の中にいたとしても外から見える部分については通常他人から容ぼう等を観察されること自体は受忍せざるを得ない。したがって、自分のことを他人から撮影されることはないというプライバシーの合理的期待は認められない。そうだとすれば、上記行為により侵害されるプライバシーの利益は軽微であり、重要な権利・利益の制約は認められない。

3 もっとも、強制処分に当たらないとしても、捜査比例原則より(197条本文)、捜査の必要性・緊急性を考慮して具体的状況の下、相当と認められる場合に限り、適法となる。

本件被疑事件は振り込め詐欺事件であり、重大な事件である(刑法246条参照)。甲は関与した疑いが濃厚であり、密行性が高く、証拠収集が困難であるという本件の特殊性を考慮すれば、甲と防犯カメラに写っていた犯人との同一性を判断すべく上記行為をする必要性は高い。甲がいつ居住地を変更するかわからない以上、緊急性も認められる。微妙。むしろ公道出てくるまで監視するのでもよかったのでは、

他方で、上記のとおり。上記行為によるプライバシー利益の侵害は軽微である。

よって、上記行為は具体的状況の下、相当といえる。

4 以上より、上記行為は適法である。

第2 Bの撮影行為

大体同じなので省略。

H10-1 刑法

あほみたいに難しいです。

第1 甲の罪責

甲が乙に対してAの服用薬とみせかけて睡眠薬を渡し、Aに渡すよう指示した行為について殺人罪が成立しないか(刑法(以下略)199条)。

1 まず、上記行為は他人の行為を介しているため、これが実行行為といえるには、甲が間接正犯であることを要する。

(1) 間接正犯の正犯性の根拠は直接正犯と異ならない実行行為性にある。そこで、間接正犯は、①正犯意思をもって、②他人を一方的に利用して結果実現過程を支配した者に認められる。

(2) 甲はAの殺害計画を実行すべく(①)、事情を知らない乙を利用してAに睡眠薬を飲ませようとしている。Aの妻である甲がAの身の回りの世話を日中行っている乙に服用薬と称して睡眠薬を渡せば、乙はそのままAに渡し、Aがそれを服用する可能性は高い。したがって、甲は少なくとも途中までは結果実現過程を支配したといえる。

2 上記行為の時点で殺人の実行の着手が認められるか。

(1) 結果発生の現実的危険性という未遂犯の処罰根拠及び文言より、実行行為に密接かつ結果発生の現実的危険性を有する行為を開始した時点で実行の着手を認める。この際、犯行計画を考慮する。

(2) 甲は乙に睡眠薬を渡して乙に飲ませ(第1行為)、その後自殺を装って殺害する(第2行為)計画を立てている。自殺を装って殺害するには乙を熟睡させる必要があるから、第1行為は第2行為を確実かつ容易に行うために必要不可欠である。また、上記のとおり支持をすれば乙を介してAは睡眠薬を飲み、熟睡すれば反抗されることなく第2行為を行えるから、両行為の間に特段の支障はない。そして、第1行為を行えばすぐ第2行為を行えるから、時間的場所的近接性が認められる。

よって、第1行為は第2行為と密接であり、第1行為の時点でAの死亡の現実的危険性を有するから、殺人の実行に着手が認められる。

3 第1行為とAの死亡との間には乙の殺害行為という介在事情があるため、因果関係が問題となる。

(1) 偶然的結果を排除し、適切な帰責範囲を画するべく、因果関係は、条件関係を前提に、客観的に存在する全事情を基礎に行為の有する危険が結果に現実化した場合に認める。

(2)第1行為がなければ、乙が殺害を決意することはなかったから、条件関係は認められる。

乙が睡眠薬を増量しなければAは死亡しなかったため、介在事情の寄与度は大きい。身の回りの補助をしている乙が睡眠薬だと見破り、その上殺意を抱き睡眠薬を増量することは通常想定できず、異常である。したがって、上記行為は乙が睡眠薬を増量しAに服用させ死亡させる危険はないから、結果の現実化は認めらず、因果関係は否定される。

4 甲は殺害結果を惹起する認識・認容があり、殺意は認められる。甲は現実の因果関係は認識していないため、因果関係の錯誤が問題となるが、同一の構成要件に当たる因果関係を認識している以上、反対動機の形成が可能であり、故意は阻却されない。

5 以上より、殺人未遂罪が成立する(203条、199条)…㋐

6 また、上記行為は、客観的には、乙の殺害の決意を生じさせる行為であるから、殺人罪の教唆犯が成立するところ、甲は殺人の間接正犯の故意であるため、抽象的事実の錯誤が問題となる。

(1) 軽い殺人の教唆の故意が認められるか問題となるところ、2つの構成要件が実質的に重なり合うなら、その限度で反対動機の形成が可能であり、故意を認める。重なり合いは構成要件の主要要素たる保護法益及び行為態様の共通性を要する。

(2) 人の生命という点で保護法益は共通しており、他人を利用して犯罪を実現するという点で行為態様も共通しているから、軽い殺人罪の教唆の故意が認められる。

(3) よって、殺人罪の教唆犯が成立する(61条、199条)。…㋑

7 甲は㋐、㋑が成立し、両者は一つの行為によるものであるから観念的競合となり(54条1項前段)、第一次的責任を負う㋐に㋑が吸収される。

第2 乙の罪責

乙が睡眠薬をAに渡し、飲ませた行為について殺人罪が成立しないか(199条)。

1 共同正犯の本質は犯罪を共同して行う点にあるから、片面的共同正犯は成立しない。よって、乙は甲と共同正犯とはならない。 

2 病気で療養中である人に対して、睡眠薬を飲ませれば、病状と相まって死亡する危険性があるから、乙の行為は殺人の実行行為に当たる。

3 Aの病状と相まって、Aは上記行為により死亡しているため、因果関係が問題となる。

偶然的結果を排除し、適切な帰責範囲を画するべく、因果関係は、条件関係を前提に、客観的に存在する全事情を基礎に行為の有する危険が現実化したなら認める。

まず、上記行為がなければAは死亡していなかったため、条件関係は認められる。

そして、上記行為は病気持ちのAにとっては病状とあいまって死亡させる危険性を有するところ、それが現実化しているから因果関係は認められる。

4 乙はAに対して殺意を有している。

5 以上より、乙は殺人罪が成立する。

H24 倒産法-2

第1 設問Ⅰ

手続開始後の問題なので否認権の対象となる行為ではない

監督委員は再生債務者のDIPとしての地位を失わせるものではない、cf破産管財人

対抗要件の不備

通知(A社がやらなくてはいけない、本件ではB社がA社を代理して行っている)、承諾

A社が「第三者」であり、承諾及び通知が無効であることが必要

1 通知の無効→54条4項、45条類推

2 承諾の無効→44条1項

3 第三者性→肯定

対抗要件系は再生手続き前にやらないと再生債務者に対抗できない(45条併せて参照)。できるのは、第三者たる再生債務者が任意に応じて、かつ登記権利者が善意の場合。

第2 設問2

1 決議に付す場合の法律上の問題点

裁判所の許可なく財産の処分をしている41条1項1号。手続違反 ×85条1項

債権者は不当に500万減った状態を返済原資として考えることを前提に決議することになる→174条2項1号違反→169条1項3号

174条2項4号 清算価値保障原則

予H25 行政法

第1 設問Ⅰ

1 Cは、A市に対して(行政事件訴訟法(以下略)38条1項、11条1項1号)、法17条1項に基づき、本件計画に適合するよう本件マンションの設計変更命令をすべき旨の義務付け訴訟を提起すべきである(行政事件訴訟法(以下略)3条6項1号)。また、仮の義務付けを申し立てるべきである(37条の5)。

2 現段階でA市はBに対して上記命令を発していない。そして、法17条1項の命令は法令に基づく申請が予定されていないため、直接型の義務付け訴訟を提起する必要がある。また、上記命令ができるのは届出があってから30日以内であることから、仮の義務付けを申し立てる必要性がある(法17条2項)。その間に認容はされない

SQ→認容→拘束力→処分→実現

第2 設問2

1 上記命令が処分性を有することは明らかであり、また裁判所が判断し得る程度に特定されているため「一定の処分」といえる(3条6項1号)。

2 上記命令の名宛人はBであるため、Cが「法律上の利益を有する者」に当たるか問題となる。

(1) 「法律上の利益を有する者」とは、当該処分がなされないことにより、自己の権利若しくは法律上保護された利益が侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう。そして、当該処分を定めた行政法規が不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべき趣旨であると解される場合にはこの利益も法律上保護された利益に当たる。9条2項に従い判断する(37条の2第4項)。

(2)ア Cは本件マンション建築により良好な景観を破壊されない利益を主張する。

イ 上記命令の根拠条文である法17条1項は「良好な景観の形成のため必要がある」場合には「景観計画に定められた建築物」に適合しないものについては変更命令をすることができるとしている。法は良好な景観の形成を図るべく(1条、2条)、景観行政団体が景観計画を定めることができると規定している。仮にそれを定めた場合には景観計画区域内において建築物を新築するときには、設計等を届け出るよう義務付けて(16条1項1号)、場合によっては17条1項の命令を通じて良好な景観を維持する仕組みとなっている。

このことから法は上記利益を具体的利益として保護している。

良好な景観が破壊されることで生命・身体の侵害を伴うものではないが、環境権憲法13条)の1つとして景観の利益は重要である。そして、周辺住民は景観が破壊されることで継続的に景観から恵沢を享受できなくなり、生活環境が破壊されうる。回復困難性 したがって、法は、景観破壊により直接的かつ継続的に生活環境が破壊されるおそれのある者の上記利益を個別的利益としてこれを保護すべき趣旨であると解される。よって、このような者は「法律上の利益を有する者」に当たる。

ウ Cは本件マンションの建築予定地の周辺住民であり、本件マンションの建築により景観が破壊されることで直接的かつ継続的に生活環境が破壊されるおそれがある。よって、「法律上の利益を有する者」に当たる。

(3)上記のとおり、本件マンションが本件計画に適合しないまま建築されることで、Cは景観利益が直接的かつ継続的に破壊される。回復困難性? 景観は回復困難

良好な景観はお互いが守ってはじめて形成される。一人でも違反すれば守る意味がなくなり景観破壊が促進されるという性質

(4)法はとくに特別な権利救済手段を定めていないから、「他に適当な方法がない」(37条の2第1項)。

 

高次の利益でない、景観は主観的な要素が強い、帰属主体明示されていない、抽象的な部分もある→否定方向

50メートルという具体的数字あり

H19-1 刑法

総論は解いてて楽しいですね

第1 甲の罪責

1 甲が、乙とともにVに薬剤をかがせた行為について殺人罪が成立しないか(刑法(以下略)199条)。

(1) 上記行為の時点で、殺人の実行の着手が認められないか(43条本文)。

未遂犯の処罰根拠は結果発生の現実的危険性にあるから、実行行為の着手は実行行為に密接であり、結果発生の現実的危険性の有する行為を開始した時点で認められる。判断の際には犯行計画も考慮する。

甲らはVを人けのな港に呼び出し、薬剤をかがせ昏睡させた後(第1行為)、昏睡したVを海中に投棄して(第2行為)殺害するという犯行計画を立てていた。第1行為はVの抵抗を排除するという点で第2行為を確実にするための行為であり、第1行為と第2行為は同じ港で行われるから時間的場所的近接性が認められる。そして、第1行為を行えば、港には周りに人がいなく、第2行為を行う上で特段の支障がない。そうだとすれば、第1行為の時点でVの生命侵害の現実的危険性が認められ、第1行為は実行行為と密接であるといえる。

したがって、第1行為の時点で殺人の実行に着手したといえる。

(2) 第1行為と第2行為は密接であり、1つの殺人の実行行為と捉えることができるため、第1行為について認識・認容がある以上、甲に殺意が認められる。

(3) 甲は第1行為により死亡したという現実の因果関係を認識していないため、因果関係の錯誤が問題となるが、同一の構成要件にあたる第1行為の後第2行為により死亡するという因果関係は認識している以上、反対動機の形成が可能であり、故意は阻却されない。

(4) 甲は殺人罪が成立する。後述のとおり、乙、丙と共同正犯となる。…㋐

2 甲の乙に対する殴打行為は不法な有形力の行使たる「暴行」に当たり、暴行罪が成立する(208条)。…㋑

3 甲がVを海中に投棄した行為について、死体遺棄罪が成立しないか(190条)。

甲の行為は、Vの「死体」を「遺棄」するものであり、客観的には死体遺棄罪に当たるものであるが、甲は殺人罪の故意を有しているため、抽象的事実の錯誤が問題となる。

死体遺棄罪の故意が認められるかが問題となるが、2つの構成要件が実質的に重なり合うなら、その限度で反対動機の形成が可能であり、故意を認める。重なり合いは構成要件の主要要素たる保護法益及び行為態様の共通性を要する。

死体遺棄罪の保護法益は死者に対する敬虔感情であり、殺人罪の保護法益たる人の生命とは異なる。よって、重なり合いは認められず、死体遺棄の故意は認められない。

よって、死体遺棄罪は成立しない。

過失犯問題とならない。

4 甲は㋐、㋑が成立し、両者は併合罪となる(45条前段)。

第2 乙の罪責

1 乙は甲とVに薬剤を嗅がせた行為について殺人罪の共同正犯が成立しないか(60条、199条)。

(1) 共同正犯の要件は、①共謀、②①に基づく実行行為、③正犯意思である。乙は甲らとVを殺害することにつき事前共謀し(①)、それに基づいて上記行為を行っている(②)。乙は実行行為を行っており、正犯意思についても問題なく認められる。よって、殺人罪の共同正犯が成立しうる。

(2) もっとも、第1行為後、乙は甲に対してVの殺害をとどまるよう要請していたところ、甲に殴打され気絶している。乙は共同正犯の解消が認められないか。

共同正犯の処罰根拠は、結果に対する因果性にある。そのため、離脱者が結果に対する因果性を切断したといえるなら共同正犯の解消を認める。

甲の殴打行為は以後乙を排除して犯行を行うという意思表示であり、それ以後は甲の単独実行と評価できるが、第1行為たる上記行為によってVが死亡している以上、乙の結果に対する因果性は切断されたとは言えず、共同正犯の解消は認められない。

(3) よって、乙は殺人罪の共同正犯が成立する。

第3 丙の罪責

1 丙は、甲と乙の第1行為によりVが死亡したことについて、殺人罪の共同正犯が成立しないか。共謀共同正犯の肯否

(1) 丙は甲らと事前に犯行を共謀し(①)、それに基づいて甲らは第1行為を行っている(②)。そして、丙は実行行為を行っていないものの、計画に関与し、計画どおりVを港に呼び出すという犯行に不可欠な行為を行っており重大な寄与をしている。したがって、丙は正犯意思が認められる(③)。よって、殺人罪の共同正犯が成立しうる。

(2) もっとも、丙は呼び出した後、第1行為が行われるまでの間に犯行計画に参加しないことを甲らに表明している。丙は共同正犯の解消が認められないか。

表明した際に、甲は丙の離脱を拒否している。そのため、甲らはVの犯行計画を継続する可能性は高い。Vを呼び出し犯行計画の一部を実行した丙としては、甲らの犯行計画を中止させるため、Vに港に行かないことを連絡するべきであった。かかる措置を講じないで、一方的に表明して離脱したに過ぎない丙は結果に対する因果性を切断したとはいえず、共同正犯の解消は認められない。

(3) 以上より、丙は殺人罪の共同正犯が成立する。

H26 民法

第1 設問Ⅰ

1 Cは、Aに対して、賃料不払いを理由に賃貸借契約(民法(601条)を解除しているが(620条)、これは認められるか。この場合、①賃貸借契約の締結、②①に基づく引渡し、③賃料の不払い、④催告、⑤催告後相当期間経過後の解除の意思表示が要件となるところ、③以外は特に問題とならない。SQが認められるには③を要するぐらいでいい。(541条の明示)

要件だすのはわかるやつだけにしよう。あんま意味ない。(ちなみに、厳密には特約、弁済期経過を必要…明らかだけど)

2 Aは、甲建物が免震構造を備えていない以上、本来の賃料は20万円であり、Cの120万円(5万円×24)は不当利得であると主張している。そして、「6か月分の賃料は支払わなくてもよいはずである」という部分は相殺の意思表示だと考えられる(505条1項)。すなわち、上記不当利得返還請求権を自働債権として(703条)(ここを掘り下げるべき)、平成22年10月分から平成3月分までの賃料を受働債権として相殺するとの意思表示である。

たしかに出題趣旨のいうとおり素直ではないかもしれないけど、瑕疵担保のほうが個人的に書きやすいと思う(直感的にも瑕疵のお話)。559条、570条、567条3項により、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求をする。契約の経緯を拾えるかつ無過失責任。瑕疵がないことを前提として払っていた120万円は損害といえる。

それか、不当利得→契約の合理的な解釈で瑕疵がある場合には月額は20万円になると考える。というのも割と書きやすい。

受働債権について期限の利益を放棄をすれば、両債権は弁済期にあり、Aは相殺の意思表示をすれば、当然に相殺できる。将来の請求権であり、期限付きの債権ではない。発生していない。受働債権が120万円であることを明示すべき。瑕疵がある状態である以上その客観的価値である月額20万円×6.

よって、事実6の下線部分は、相殺の要件たる相殺の意思表示として法律上意義を有する。

3 そして、相殺が認められる結果、Aは平成23年3月分までの賃料は支払っていることになるので、Aの賃料の不払いは認められない結果、賃貸借契約の解除は認められないこととなる(③不充足)。

以上より、事実6の下線部分はAの相殺の意思表示として法律上意義を有し、ひいてはCの賃貸借契約の解除を否定するものである。

 

第2 設問2

1 小問(1)

(1) 請求の根拠

FはAが死亡したことで、AのDに対する不法行為に基づく損害賠償請求権(715条1項、709条)をBとともに承継しており(882条、889条1項2号、896条本文、898条)、それに基づき、Dに対して損害賠償を請求することが考えられる。886条2項!、死亡のやつ

(2) 賠償額

Fの法定相続分は1/4であり(900条3号)、原則としては2500万円について(1億×0.25)損害賠償請求できる。本件では、Bが本件胎児が産まれることを前提として、本件和解をしているが(695条)、その効力は契約当事者でないFに及ぶことはない。したがって、Fは2500万円をDに請求できる。8000万円じゃなくて1億円が算定の基礎

2 小問(2)

 (1) 請求の根拠

本件胎児が産まれてこなかった以上、相続人はBとFである。本件和解では、本件胎児が産まれてBとともに相続人になることを前提に、Bに本件胎児分も含めて8000万円の和解金を支払っている。そのため、Dは本件胎児分についてのBの利得は不当利得として、返還請求をすることが考えられる(703条)。

停止条件説→4000万円部分は無効であり、「法律上の原因」がない(給付利得の巻き戻し)。

(2) 賠償額

本件和解はBの相続分は2分の1であることを前提にしているところ、実際のBの相続分は4分の3である。損害賠償請求の2分の1にあたる部分ついては本件和解に基づく4000万円の和解金の支払いにより消滅したと考えられるが、残りの4分の1の部分については本来の損害賠償金を基礎とした場合に算定される2500万円(1億円×0.25)をBがDに請求できるとしてよいのか。本件和解の趣旨を踏まえて検討する。

本件和解の経緯をみると、Bはフラワーショップの維持に資金が必要であることから、早期の和解を望んでいる。その結果、本来主張していた1億円から2000万円減額した8000万円をAの死亡による損害賠償として、本件和解が成立している。このことから、Bは時間とコストのかかる裁判を避け、資金を一早く得るため、多少賠償額が下がったとしても本件和解するに至ったと考えられる。他方、Dとしても賠償額を争っていたところ、Bの主張する賠償額よりは低額になっていたこともあり、裁判で争うより和解のほうが良いと考え、本件和解するに至ったものと考えられる。そうだとすれば、本件和解で両者はAの死亡による損害賠償は8000万円であることにつき合意したものと考えるのが当事者の合理的な意思解釈である。

以上より、Bの相続分の残りの4分の1の部分については8000万円を基礎として算定される2000万円をDに請求できると考えるべきである。

よって、Dは2000万円(8000万円ー6000万円)について不当利得返還請求できる。

2000万円についてはBがもらうことについて法的に正当化できるため、4000-2000=2000万が「法律上の原因」がない。

3 小問(3)

 (1) 胎児は権利能力を有しておらず(3条1項)、相続についても、出生を停止条件として、権利能力を有するにすぎない(886条1項)。

したがって、出生しなかった以上、Bが本件胎児の部分について代理して行った本件和解は無権代理として、無効である(113条1項)。

4000万部分は無効(停止条件説)。Dは4000万円の返還SQ可能→小問(2)

本件和解の解釈→Bの算定基礎は8000万円であるから2000万円の利得返還請求可能→小問(3)これがきれいな流れかな。解釈の流れは悪くない。

ただ採点実感によれば、上の場合小問(3)でSQできないとすれば、一貫性ある答案として評価されるらしい。

第3 設問3

1 Hは、Kに対し、所有権に基づく返還請求権として、丙建物収去丁土地明渡請求をすることが考えられる。要件事実は、㋐Hの丁土地所有、㋑Kの丙建物を所有して丁土地を占有、㋒Kの占有権原の不存在である。㋑注意!丙建物所有しては必要

2 (1)まず、①の事実により、Hは丁土地の3分の1の持分について取得し、②の事実により対抗要件を備えている(177条)。そして、③の事実により、Hは残りの丁土地部分についても取得し、丁土地の所有権を取得している(555条)。もっとも、④の事実により、丁土地の3分の2は対抗要件を備えていない(177条)。

 本件では、不法占有者たるKはHの投棄の欠陥を主張する正当な利益を有する第三者ではないため、「第三者」(177条)に当たらず、Hは対抗要件なくして所有権を対抗できる(効果を書こう)②、④の事実は法律上の意義を有しない。他方で、①、③の事実は㋐を基礎づけるものとして法律上の意義を有する(㋐充足)。 

(2)他方、丙建物は⑤の事実によりCからKに所有権が移転しており(549条)、これは㋑を基礎づけるものとして法律上意義を有する。丙建物は何ら権原なく丁土地上にあるため、Kは丙建物を所有して丁土地を占有する権原を有していない(㋑、㋒充足)。⑥の事実は、借地権の対抗力に関連して重要な事実であるが(借地借家法10条)、そもそも、Kは借地権を有していないため、この事実は法律上の意義を有さない。

3 以上より、Hの請求は認められる。

H22-1 民訴法

設問Ⅰ

1 Bの訴えの適法性

債務不存在確認

確認の利益→確認対象の適否、方法選択の適否、即時確定の利益

現在の法律関係の消極的確認であるが、債務者からはこれしか対抗し得ないので適法。AB間では債務の存在について争っており、確認判決をもらうことでAから請求されるという現時点での法的地位の不安・危険が解消される。

攻撃的性格についても問題はない→濫用のおそれなし

後述のとおり、却下される場合あり。

2 Aの訴えの適法性

142条の重複訴訟の禁止に抵触しないか。

趣旨→矛盾抵触判決の防止、訴訟経済、相手方応訴の煩

判断基準 審判対象、当事者の同一性

争点が共通しているなら認める(訴訟物も同一)→審判対象、当事者は同一。

よって別訴だめ。ただ裁判所としては、却下するのではなく弁論を併合するのが望ましい。Aの給付訴訟も利益あるからね。

設問2(1)

ただ反訴ならいいよ。

A→Bは給付訴訟であり、既判力+執行力もある。Bが先行訴訟で得たい利益はA→Bでも得ることができる(債務不存在についての既判力)。包摂するとして先行訴訟は確認の利益を事後的に喪失する(Aの利益に配慮しつつ、Bに不当な不利益を与えるものではない)

(2)

取り下げには同意が必要。261条2項但書の適用をしてよいか。

趣旨→反訴は本訴に誘発してなされることが多い。本訴が取り下げになった以上、反訴の取り下げについて同意を求めるのは公平ではない。

本件で、Bが本訴を取り下げたのは上記のような関係にあることから反訴維持されるなら本訴は意味がないから取り下げてもいいやという理由にある(Bの主張からも明らか)。

そうだとすれば、この場合Aが反訴を取り下げる際にBの同意を必要としないことはかえってBに不当な不利益を与え、公平を欠く。