氏名黙秘

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民訴再現

第1 設問1

 1 主観的予備的併合

 Xは、Yを被告、Zを予備的被告として、主観的予備的併合での訴訟提起をすることが考えられるが、これは認められるか。

(1)主観的予備的併合については、明文を欠く上、被告の請求が棄却された後に、請求の審理が行われるという点で予備的被告の地位が不安定であるから相当ではない。また、後述のとおり、同時審判の申出(民事訴訟法(以下略)41条)により、原告の両負けを防ぐことはできるから、これを認める実益もない。したがって、明文なき主観的予備的併合は認められない。

(2)以上より、Xはかかる手段を講じることはできない。

 2 同時審判の申出

 Xは、YとZを共同被告として、共同訴訟を提起した上で(38条)、同時審判の申出をすることが考えられる(41条)。

(1)本件訴訟において、XはYとZに売買契約に基づく代金支払債務の履行を求めているから、「義務が数人について共通である」といえ(38条前段)、共同訴訟を提起することができる。

(2)本件訴訟の訴訟物は売買契約に基づく代金支払請求権であるところ、売買契約の当事者はYとZのいずれかという点で、Yに対する請求とZに対する請求は両立し得ない。したがって、XのYに対する請求とZに対する請求は「法律上両立し得ない関係にある」といえる(41条1項)。

(3)以上より、Xは同時審判の申出をすることができる。

 3 上記手段を採る理由

(1)本件では、売買契約成立の否認の理由により、本件売買契約の当事者が争点になると予想されるところ、XのYに対する請求と、XのZに対する請求とが別々に審理され判決が下されると、前者が売買契約の買主がZであるとして請求が棄却され、後者が売買契約の買主がYであるとして請求が棄却され、Xが両負けする可能性がある。

(2)以上の不都合を回避するため、L1は上記手段を講じるべきである。

第2 設問2

 1 Xは、Yを被告とする訴訟(以下、「前訴」という。)において、Zに訴訟告知(53条1項)をしているところ、Zは補助参加(42条)していない。そこで、Xは、後訴において、参加的効力(53条4項、46条)を用いることが考えられる。

 2 まず、Zは「参加することができる第三者」(53条1項)にあたるか。補助利益の有無が問題となる。

(1)補助利益の有無については、基準の明確性及び広く補助参加を認め紛争の1回的解決を図る42条の趣旨と補助参加による訴訟の複雑性の調和の観点から、判決主文及びこれを導くため必要不可欠な主要事実の判断によって論理的に地位が定まる第三者であるかどうかで判断する。

(2)前訴の訴訟物は売買契約に基づく代金支払請求権であり、主文を導くためには主要事実である売買契約の判断が不可欠である。そして仮に、本件売買契約の買主がYでないと判断された場合、売買契約の成立の否認の理由からしてZが本件売買契約の当事者であることが論理的に定まってくるといえる。

(3)したがって、Zは補助利益の参加が認められ、「参加することができる第三者」にあたる。

 3 では、Xは前訴の「効力」(46条)を用いることができるか。「効力」の意義が問題となる。

(1)46条の趣旨は、参加人が当事者と一緒に訴訟追行した上で敗訴した以上、敗訴当事者と参加人とが敗訴責任を分担するというのが公平であるという点にある。そこで、「効力」とは既判力とは異なる参加的効力をいう。具体的には、主文及びこれを導くため必要不可欠な主要事実の判断について、敗訴当事者と参加的効力の間で生じる拘束力をいう。

(2)前述のとおり、前訴において、主文を導くためには主要事実である売買契約の判断が不可欠である。そして、Zは前訴でX側に参加して(53条4項のみなし規定)訴訟追行した上で、買主がZでありXY間の売買契約は成立していないという判断によって敗訴している。したがって、上記判断について、XとZ間において拘束力が生じる。

 また、本件では46条各号にあたる事由も見当たらない。

(3)以上より、Xは後訴で前訴の参加的効力を用いることができる。

第3 設問3

 1 弁論の分離については、裁判所の裁量が認められるが(152条1項)、統一した審判が求められる場合に、弁論を分離することは裁判所の裁量の範囲を逸脱し、違法である。

 2 本件において、売買契約成立否認の理由からして、本件売買契約の買主はY若しくはZのいずれかであり、XのYに対する請求とZに対する請求は実体法上両立し得ない。そうすると、XのYに対する請求とZに対する請求とが別々に審理されれば、それぞれ矛盾した判断によりXは実体法上あり得ない両負けをする可能性がある。したがって、本件訴訟においては、かかる不都合を回避すべく統一した審判が求められているといえる。

 3 以上より、本件訴訟の弁論を分離することは裁判所の裁量の範囲を逸脱し、違法である。 以上

                                       

雑感

再現95%以上

戦犯科目

設問Ⅰについて

主観的予備的併合は、否定の理由付けが正確ではないことが駄目だった。

同時審判の申出

Yに対する請求の請求原因事実は①XY間の売買契約。Yの否認の理由からすると、Yは❶Yが①契約の際、Zのためであることを示した。❷Yは、①の契約に先立ち、Zの代表取締役に選任されたと主張し、Zへの効果帰属を求めることになる。

①と❶と❷はZの請求に対する請求原因事実になる。

こうみると、Zに対する請求における請求原因事実がYの請求では抗弁事実になるので、両請求は実体法上択一的関係になるので、法律上併存し得ないこととなる。

※法律上併存し得ると考える学説もあります。

 

自分は以上のことを示せてないのでだめですね。要件事実で考える力が足りてません。

しかしここまで、正確にかけた受験生はどれくらいいるのか…。

設問2

今年の本試験で補助利益出たと知り、補助利益は出ないと思ってたので正直不意打ち食らいました。

この問題は①補助利益の議論と②参加的効力の客観的範囲の両方を検討させる問題だと思います。学説も多く、正解筋は多くありそうです(以下は一つの正解筋と思われるものを書きます(間違いの可能性大))。

①は、補助利益を肯定されるとするのが学説の多数です。(百選104解説や勅使河原読解民訴230頁等参照)。もっとも、判例は微妙な判断をしてます(百選104)。

②は、自分(判例)は、参加的効力を理由中の判断につき主要事実に限るとしているので、この場合、「買主はZである」という判断は主要事実じゃないので、この点については拘束力は生じないのが正解だと思います(学説上は異論もあるみたいですが)。そして、「買主がYでない」という主要事実には拘束力を認めてもよさそうです(学説)。もっとも、そこから訴訟告知による参加的効力が生じるためには協同して訴訟追行すべき義務があったことを必要とすべきというのが学説の多数であり、それによれば、XとZはX敗訴を直接の原因として求償又は賠償関係があるといえないので、この場合参加的効力は生じないことになると思います。

設問3

弁論分離が不可とされている訴訟形態を浮かべて、矛盾なき判決が求められている場合という規範を立てた。

こういう現場思考問題こそ、規範→あてはめをしっかりする必要があることは答練で学んでいたのでそこは守った。配点は少なめだが稼げたと思う。

 

民訴はかなり難しかったぽいです。相対的にみたらそこまで悪くないのかもしれませんが、解答としては終わってます…