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H27 民法

第1 設問Ⅰ 

1 小問(1)

Aは、Cに対し、所有権に基づく返還請求権として、材木①の引渡請求をすることが考えられる。

(1) AとBは丸太の売却に際し、丸太の所有権移転の時期はBの代金支払時という合意をしており、Bが代金を支払っていない本件では丸太の所有権はAにある。材木①はBが本件丸太を加工したものであるが、材木①の所有権は材料の所有者であるAに帰属する(民法(以下略)246条1項本文、本件では材料価格と加工によって生じた価格では前者のほうが高いため、但書の適用はない)。

(2) これに対して、Cは材木①を即時取得したと反論することが想定される(192条)。

ア CはBとの「取引行為」によって、材木①の引渡しを受けている(182条1項)。186条1項により、所有の意思、平穏かつ公然、善意が推定されるところ、これを覆す事情はない。

イ 188条によりCのBが所有者であると信じたことについての無過失は推定されるが、これを覆す事情はあるか。過失の有無は、調査義務の存在の有無、その懈怠から判断する。調査確認義務の懈怠 占有取得時にBが所有者であると信じたことにつき無過失 しっかりいつの時点何に対するか書く

通常、買主が目的物に所有権留保の特約がなされているかについて調べる義務はない。しかし、本件では、Cは、Aの丸太については所有権留保がなされるのが通常であり、そしてBがAとの合意を破り第三者にAの丸太を売却した過去の事例を知っていたという事実がある。そうだとすれば、未払いで材木①がAの所有にあることも予期できたよね・・・→CはAに対して丸太の代金が支払われているか照会すべき義務があったというべきである。 個人的にBに照会しても意味ないと思うのでAだけに限定 一度申し込みを拒否したこと(事実指摘)

しかし、Cはそのような照会をせず、代金の支払いは済んでいると即断しており、上記義務を懈怠している。

ウ よって、無過失とはいえず、即時取得は認められないため、Cの反論は認められない。

(3) 以上より、Aの請求は認められる。 総じて良好

①A所有 ②C占有

①取引行為、②①に基づく引渡し

←悪意、過失、平穏かつ公然

2 小問(2)

Aは、Dに対して、248条、703条に基づき、材木②の価額償金請求をすることが考えられる。

(1) まず、材木②の所有権は小問(1)のとおり、Aに帰属していたところ、Cは材木②を使用して乙建物のリフォーム工事を行い、材木②は乙建物と一体となっている。材木②は乙建物の主要な部分に使われており、これを分離することは乙建物の改装を要することとなり、経済的に見て著しく不相当といえるから「付合」している。そのため、材木②の所有権は242条に基づきDに帰属することとなる。そして、242条に基づき損失を受けたAは248条、703条に基づきDに上記請求をすることとなる。 ここで簡単でいいから703の他の要件当てはめると少し稼げる

(2) もっとも、Dは、Cに請負の報酬額600万円を支払っており、Dの受益は「法律上の原因」があると反論する。

ア 「法律上の原因」とは法的に見て当該受益が正当化されることをいう。横領物に関して、受益者が横領の事実について悪意・重過失であれば、当該受益は法的に見て正当化されず「法律上の原因」はないと考える。

イ Dは、一連の事実関係を把握していないため、Cが横領した事実について悪意ではない。また、請負人の材料の所有権帰属を調査する義務は通常ない上、そうした疑いの事情もDからすればなかった以上、重過失も認められない。

(3) 以上より、Dの反論は認められ、Aの請求は認められない。

BがやったならまだしもCの場合では無理。ここでは、悪意のBと有過失のCに振り回されたAと信じて購入したDの調整が問題。(一見して両方ともかわいそう→どうしよう(難問))AはB、Cに対して請求すべき、DはCに対して請求すべき。この調整は結局即時取得に落とし込む…

A→B→C CはBに支払ったよ!これだけじゃAの返還請求は免れられないこととの均衡、すなわち即時取得しないとCはBに損害賠償請求することとなる(Bの無資力リスクを負う)。即時取得していれば、AがBに損害賠償請求することになる(リスクはAが負う)

これを思いつければ答案に示せたが、厳しい~

物権的返還請求権を思い浮かべる

 

 

第2 設問2

1 小問(1) 主張・立証ときたら要件事実

Gは、Eの所有権に基づく丸太③の引渡請求に対して、丸太③の所有権はFにあると反論する。 対抗要件具備による所有権喪失の抗弁

(1) 丸太③は本件立木を切り出したものであるところ、本件立木は甲土地上に生育しているものであり、「定着物」にあたるから、不動産である(86条1項)。AはEとFに対して、本件立木を二重売却しており、EとFの優劣が問題となる。 前提として、本件立木はEの所有である(不確定)であること(対抗していること)を述べたうえで優劣に移行

(2) 立木等、土地に定着している物については、通常土地の所有者がそれを所有していると考えるのが通常であり、取引の安全を図るためにも、明認方法を施さない限り、第一買主は新たな土地の所有者に対して当該定着物の所有権取得を対抗できないと考える。 要件先出しでいい→あてはめ

(3) 丸太③はEの墨書きがなされておらず、これは本件立木のうち墨書きがなされておらず、Eは明認方法を施していないことを示すものである。そのため、AからFに対して甲土地が売却され、Fが登記を具備している以上、丸太③についてはEはFに対して所有権を対抗できない。また、本件ではFは本件立木がEに売却されていることは知らず、背信的悪意者であるという事情は見当たらない。

以上より、丸太③はFの所有である。

(4) Gは以上のことを主張・立証した上で、Eの請求を拒否すべきである。

対抗要件具備による所有権喪失の抗弁について

①Aもと所有、②A→E売買、③G占有

①A→F売買(Fが「第三者」であることを基礎づける事実)、②①に基づきF対抗要件具備

対抗要件の抗弁

同じ

①Gが「第三者」にあたることを基礎づける事実、②権利主張

 

立木は定着物ないし付合しているため「土地の一部」→明認方法なければそもそも独立した所有権はない。そのためFは甲土地のTだけで足りる(VS明認方法)

 

2 小問(2)

Gは、丸太④について、保管料の支払があるまでは、丸太④を留置するとの主張をすることが考えられる(295条1項本文)。 被担保債権の根拠

(1) 保管料は弁済期にすでにあり(同項但書)、その占有は適法な寄託物契約によるものである(295条2項)。Gはなんも知らないことからこういえる そして、Gは丸太④の保管料についての債権をFに対して有している。そのため、「他人の物」を占有するGは丸太④を留置できるように思える。

(2) しかし、当該債権は丸太④に「関して生じた債権」といえるか(牽連性)。

ア 留置権は、弁済するまで物を留置することを認めることで、間接的に相手方の弁済を促す点に意義がある。そのため、物を留置することで間接的に弁済を促すことができない債権については牽連性を認めないと考える。

留置権成立の時点で債務者が債権者に対してその物の引渡請求権を有しない場合には、牽連性を否定。

イ 本件では、丸太④の所有者はEであるため、Gが丸太④を留置したところで、上記債権の債務者であるFの弁済を促すことにはならない。そのため、上記債権と丸太④の牽連性は認められない。

(3) 以上より、Gの主張は認められない。

 

留置権

①Gが丸太占有

②Gが丸太に関して債権を有すること

③弁済期

不法行為でない

⑤権利主張

 

第3 設問3

 1 小問(1)

 (1) まず、LはCに対して、714条に基づく損害賠償請求をすることが考えられるが、Hは中学3年生の満15歳であり、責任能力は認められるため、714条に基づく請求は認められない。 自己の行為の是非を判断できるだけの知能 12歳

(2) そこでLは、Cに対して、不法行為に基づく損害賠償請求をすることが考えられる(709条)。

ア 親が子供に対して負う監護・教育義務を怠り(820条)、それによって他者に損害を与えた場合には、親に不法行為責任を認めることができ、これは714条も排除していない。 因果関係を示しておく

イ Hの親であるCは、他人に迷惑を掛けていないといった一般的な注意をしていたが、それ以上は何ら対策をしていない。たしかに、親の監視下から外れた子供の行動を逐一把握し、それに対して対策を講ずることを要求するのは酷であり、特別な事情がなければ一般的な注意をしていれば監護・教育義務を果たしたといえる。しかしながら、本件ではHは最近悪質ないたずらをして他人に迷惑をかけており、その事情はCも把握していた。そうだとすれば、CはHが再び他人に迷惑をかける行為をすることを予期でき、それを防止すべく一般的な注意にとどまらず、Hがいたずらに使いそうな物については隠し、またHに対しては通常以上の教育と注意を施すべきであったといえる。しかしCはそのような対策を講じていない。 HとCは共同生活している

そしてCがかかる義務を行っていればHはCの倉庫から本件角材を持ち出すことはできず、本件事故は生じなかったといえるから、Cの懈怠とLの損害には因果関係は認められる。

ウ 以上より、Cの「過失」によって、Lは骨折しており、30万円の損害が生じているから、Lの請求は認められる。

具体的にCは何すればよかったの?と疑問を抱きやすいが問題文からするといかにも認めてほしそうな書き方をしている。判例は結構限定的…

本件事件当時,Aらは,いずれも,間もなく成人に達する年齢にあり,既に幾つかの職歴を有し,被上告人らの下を離れて生活したこともあったというのであり,平成13年4月又は5月に少年院を仮退院した後のAらの行動から判断しても,被上告人らが親権者としてAらに対して及ぼし得る影響力は限定的なものとなっていたといわざるを得ないから,被上告人らが、Aらに保護観察の遵守事項を確実に守らせることができる適切な手段を有していたとはいい難い。」LEX28110490

 

2 小問(2)

Cは、本件事故の原因としては、Hの行為だけでなく、①Kが片手で自転車を運転していたこと、②Kの自転車の前照灯が故障していたことも確認されており、損害賠償額については過失相殺がなされるべきであると主張する(722条2項)。

(1) 本件では、Lが損害を被っているところ、Kの過失を考慮することはできるのか。

ア 過失相殺の趣旨は、損害の公平な負担にある。かかる趣旨に照らして、被害者と経済的・社会的にみて生活上一体となっている者の過失についてはこれを考慮する。

イ LはKの子であり3歳である。そのため、LはKの経済的・社会的支援がなければ生きていけず、KとLは生活上一体となっているといえる。そのためKの過失は考慮できる。

(2) よって、Cの反論は認められ、過失相殺はなされるべきである。

以上

実質的には経済的一体性に着目