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H22-2 刑訴法

1 本件メモは伝聞証拠にあたり、証拠能力が認められないのではないか(刑事訴訟法(以下略)320条1項)。

 (1) 同項の趣旨は、供述証拠のプロセスである知覚・記憶・叙述には誤りが介在しやすいため、これを反対尋問等で吟味できないものを予め排除して誤判を防ぐ点にある。そこで、伝聞証拠とは、公判外の供述を内容とするもので、その内容の真実性を立証するために用いられるものをいう。

(2) まず、甲の犯人性を立証するために本件メモを用いることが考えられる。本件メモは犯行前に作成されており、本件メモに記されている犯行計画と、捜査の結果により判明した犯行内容は相当程度一致しており、偶然の事情による一致とは考えにくいため本件犯行は本件メモに則って行われたと推認できる。本件メモの作成者は甲であり、甲は犯行内容を知ったいたことを推認できる→無関係なものが犯行内容を知っているわけがない→甲は犯行に関与していたと推認できるこのような犯行メモの作成者は通常犯行に関与していると推認できるから、本件メモの存在と内容それ自体をもって、甲の犯人性を推認できる。したがって、甲の犯人性を推認するために上記メモを証拠として用いる場合、要証事実は本件メモの存在と内容それ自体であり、その内容の真実性は問題とならない。

よって、上記の場合には、伝聞証拠に当たらない。

(3) また、本件メモから甲がメモ作成時Aを殺した後、死体を遺棄するつもりであったことを立証し、甲の故意を推認するために本件メモ用いる場合、その内容の真実性が問題となっており、伝聞証拠に当たると思える。しかし、このような精神状態の供述のプロセスには、誤りが介在しやすい供述過程である知覚・記憶欠けており、叙述に関しては一般的な関連性の問題として扱えばよいから、非供述証拠非伝聞として扱うべきである。

したがって、本件メモから甲がメモ作成時Aを殺した後、死体を遺棄するつもりであったことを立証し、ひいては甲の故意を推認するために本件メモを用いる場合には、伝聞証拠に当たらない。

2 以上より、本件メモを証拠として用いることができる。

以上