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H26 刑訴法

訴因と起訴後の取調べは構成だけにしました!

設問1

第1 小問1

1 ①の甲の取調べは、刑事訴訟法(以下略)198条1項の取調べとして適法か。

 (1) 198条1項に基づく任意捜査としての取調べは実質的な逮捕を含め、「強制の処分」(197条1項但書)に至ったものであれば許されない。「強制の処分」とは、法が強制処分について厳格な要件・手続きを定めていることに鑑み、㋐相手方の意思に反して、㋑重大な権利・利益を実質的に制約する処分をいう。手段たる強制手段を用いることは許されない。

Pは、先行する平成26年2月11日の16時から22時及び翌日の10時から21時まで、Hホテルでの宿泊を挟みつつ、取調べを受けており、その時間は合計17時間と長期間である。もっとも、同期間中には休憩や食事を適宜挟んでおり、甲は取調べに対して反対の意思を示すことはなかった。そうだとすれば、①の取調べは甲の意思に反するものではない(㋐不充足)。よって、「強制の処分」に至ったものとはいえない。 時系列ごとに明示的な反対意思表明していない→捜査官が取調べ強制したような、また反対意思を表明できないような客観的状況はない(意思決定の自由及び行動の自由の阻害はなかった)→本人の意思により容認していた

甲の同行→任意→特に有形力の行使もない→甲の容認

甲の宿泊→甲自らの希望、翌日の取調べ承認→捜査官が提案した者でもないし事実甲が費用負担しているし、捜査官の付き添いなし、宿泊の合理的理由→甲の容認

甲が出頭してきた→甲は一人で来ている周りに警察官はいない(来ないこともできたけど来た)→甲は①の取調べを受けることを容認している。

取調べ→甲は反対意思を表明していない→甲は適宜休憩食事挟んでいる、有形力の行使もない、甲の意識が正常でないという事情もない(適切な判断をし得る状態であった)→甲の容認

 

明示的に意思表示がなかった→でも…暴力とかあった、言いたくても言えない状態だった(意思決定の自由がない) 仮になくてもホテルに閉じ込められてた、翌日ずっと付き添われてた、帰ろうとしたら阻まれた(行動の自由はない)→本当は行きたくなかった…でも言えない、すなわち甲の容認はなかった

(2)次に、強制処分に至ったよるものでないとしても、捜査比例原則の下(197条1項本文)、事案の性質、嫌疑の程度、犯人被疑者の態度を考慮し、具体的事情の下、相当と認められる場合に限り適法となる。

本件被疑事件は殺人及び窃盗と法定刑が重い重大な事件であり(刑法199条、235条、45条前段)、甲は被害品である指輪を質入れした人物であるとの目撃証言があり、また一度甲は窃盗を認めていることから、甲が事件に関与した疑いが濃厚である。窃盗と殺人の犯人は同一である可能性が高い。殺人の嫌疑も濃厚。そうだとすれば重要参考人として甲から事情を聴く必要性は高い。また、甲は①の取調べの前の取調べでは供述を変遷させている。加えて、甲は殺人については否認している。そうだとすれば、甲の供述をはっきりさせつつ、殺人について引き続く取り調べる必要性は高い。

他方で、甲は上記のとおり17時間という長時間の間、実質的に身体拘束がなされており、それにより身体の自由行動の自由、精神的・肉体的苦痛が一定程度認められるが害されている。しかしながら、甲は取調べについて任意に応じていたこと、宿泊についても甲自身が発案した者であり、自宅ではなく宿泊であるメリットもあった、捜査員が同行することなく、甲のプライバシーが害されるようなことはなかったこと監視体制ではない すなわち心身の疲れから解放される機会があった、適宜休憩・食事は挟まれていたことを考慮すれば、甲の身体の利益への侵害は軽微である。過度な制約ではない

以上より、①の取調べは具体的事情の下、相当と認められる。

(3) よって、①の取調べは適法である。

2 ②の取調べは198条1項の取調べとして適法か。1と同様に判断する。

 (1) ②の取調べは、1の取調べ及び一泊を経て、9時から16時までの7時間の取調べである。取調べ開始からは2日間経過しており、それは逮捕に比肩する身体拘束期間である(203条1項、205条1項、2項)。

しかし、宿泊については、甲は一度は反対するものの、説得されて渋々ながら了承している上、取調べについても、適宜食事や休憩を挟みつつ行われ、甲は反対の意思を示すことはなかった。甲の身体への負担を考慮してもなお甲の自由意思が奪われているとは考えにくく、②の取調べは甲の意思に反するものとはいえない(㋐不充足)。よって、「強制の処分」に至ったものとはいえない。

宿泊→一度甲は断るものの、最終的に渋々同意→口頭による説得であり、有形力の行使もない、宿泊は警察が費用負担しており甲は受動的ではあったが→容認

宿泊の態様→甲は最終的にはあきらめ→一応口頭→ギリギリ容認

出頭→反対の意思明示なし→警察車両ではあったものの拒否できない状態であったとはいいがたい→ギリギリ容認

取調べについて→供述拒否権が告げられており、甲は反対の意思を示していない、→休憩食事あり、甲は適切な判断ができないといった状態でもない→容認

 同意があったからよしはだめだと思われる。客観的状況から意思の表明の自由もあってはじめてその同意が「真意に基づくもの」といえよう。

(2) 事案は重大、甲は①の取調べで具体的な自白殺人の被疑事実について認めているが→嫌疑濃厚、甲は凶器に使用したゴルフクラブの投棄場所を自白し、いわゆる秘密の暴露に当たる可能性のある供述をしている。そうだとすれば、嫌疑が濃厚な甲の当該自白が真実か確かめるべく、甲に投棄場所を案内させる必要性はあるものの、甲は当該場所の図面を作成しており必ずしも甲の同行を要するとはいえない。また、図面作成時点で緊急逮捕することは可能だった→すなわち任意に基づく取調べじゃなくて身柄拘束でいいじゃん! 宿泊の態様についても重大事件の自白をしていることから逃亡及び自殺のおそれがないとはいえないことから必要性は一定程度あり

他方で、甲は24時間の取調べ及び2日の宿泊を経ており略さない②の先行する流れを丁寧に身体の自由が①の取調べよりもさらに害されている。また、甲は①の取調べ時とは異なり、②の取調べの前の宿泊では警察官Qらと同部屋に宿泊しており、甲はQらの前を通らないと外に出られなかったこと、甲とQらの間には錠のかからないふすましかないことからすると、甲は実質的にQらの支配下監視下にあったにあたったといえ、甲のプライバシーの利益 行動の自由も害されている。加えて、宿泊の態様及び宿泊費が警察から出されていることからQらは実質的にPを拘束する意図で宿泊させたことも推認できる→逮捕の制限時間を潜脱する意図。さらに、出頭時にも甲は警察車両に乗せられ、警察の支配下にあった。そうだとすれば、甲は事実上の身体拘束に近い状況であった、それにより甲の受ける精神的・肉体的苦痛は著しく、甲の同意があるとしても、②の取調べは過度な制約を伴うものであったといえ具体的事情の下、相当は認められない。

(3) よって、②の取調べは違法である。

第2 小問2

起訴後の乙の自白という新事実、しかも信用性は高い(客観的状況と一致)→そうだとするとTbも変わるし、立証事項も大幅に変わる。公判維持のため、甲の先行自白の真実性を確かめるべく甲を取り調べる必要性大

期日前

任意性 弁護士の立ち合いはないものの供述拒否権、滞留義務の不存在を告げており、それを受けてもなお甲は取調べに応じる旨述べている

設問2

殺人 日時の変更

窃盗 盗品等無償譲受けに変更 場所、日時の変更

 

訴因の特定→特定のTbに該当するか判断し得る、他の犯罪事実と識別できる

犯行日時は、それが訴因の特定の不可欠な事項とはいえない。(Tb該当性に関係ないし、場所と被害者から他の犯罪事実と識別できるから)

 

次に、犯行日時は、一般的に被告人の防御にとって重要な事項(アリバイ主張)

それが明示されている以上、変動する場合は原則として訴因変更要する

 

審理の経過はない 例外事情はない

Pとしても、被告人への不意打ちを防止すべき(訴因の防御明示機能に配慮) 公判前整理手続ではPは証明予定事実を相手方に開示しなくてはいけないことからみてもはやめの訴因変更をするのが好ましいと考えられる。

 

→結論として 訴因変更すべき。

 

窃取行為から盗品等無償譲受行為に変更、場所、日時変更

実行行為は特定のTbに該当するか判断し得るために必要であるから、訴因の特定に不可欠な事項であり、これが変動している以上、訴因変更必要。

 

日時以外、両訴因の事実はすべて共通、Vは一回しか死亡しえないという点で非両立。

 

実行行為、日時、場所の変更 同じなのは、客体のみ

同一被害者に対する同一の客体に対しての行為であって、時間的場所的近接性もあり、甲がダイヤモンド窃取するということと窃取した乙から無償譲受けすることは非両立。また、甲が窃盗の正犯であれば盗品等無償譲受け罪の正犯ともなりえない。その意味で、犯罪事実も犯罪も非両立(甲に窃盗罪が成立するなら盗品等無償譲受け罪は成立しない。)非両立性肯定

→基本的事実関係の同一性肯定→公訴事実の同一性肯定

 

ちなみに単一性は犯罪事実も犯罪も両立しうる場合の問題である